小山のすっぽん (おやまのすっぽん)
園部町小山の山間には、すっぽんの棲む池がある。
昔、ある子供が足を踏み外してこの池に落ちてしまった。
村人たちが駆けつけて助け上げたが、子供の尻にはすっぽんが血を吸った穴が空いていたという。
この池のすっぽんは、八月の期日までに人間の肝を取って池の弁財天に献上しなければ、仲間外れにされて追い出されてしまうのだという。
そのため、すっぽんは人間を池に引き込もうと周到に待ち構えているのである。
すっぽんに肝を取られないよう、親たちは九月になるまで子供を池に近寄らせないのだという。
『口丹波口碑集』「すっぽんの話」
『ふるさと口丹波風土記』「小山のすっぽん」より
池社会も大変ですね。