ピシャどん
五十河の西山に百合道という道がある。
この道は粘り気のある赤土で、雨が降っても水は土の中に吸い込まれず、表面を川のように流れるという。
ある雨降りの昼下がり、村人がこの道を歩いていると、後ろから「ピシャピシャピシャピシャ」という音が聞こえて来た。
振り向くと、黒い衣を着た小坊主のようなものが後ろからついて来ている。
村人が足を止めると「ピシャピシャ」という音も止まり、小坊主も見えなくなるが、歩き出すとまた「ピシャピシャ」という音が聞こえて来る。
不思議に思い、何度も振り返って見ている内、赤土に足を滑らせ尻餅をついてしまった。
それ以来、西山には「“ピシャどん”が出る」と言われるようになった。
『丹後の民話 第一集 いかがのはなし』「ピシャどん」より
福井県の“ビシャがつく”(みぞれが降る夜道を歩くと背後からビシャビシャと足音が聞こえて来る)のような後ろからついてくる系の妖怪です。
そのためか『日本妖怪大事典』では一緒くたに紹介されています。
伝承地:京丹後市大宮町五十河
伝承地:京丹後市大宮町五十河