蛇橋の女 (じゃばしのおんな)
昔、駒倉の老人が隣村の木子へ出かけ、吉原にある「蛇橋」という橋まで来た。
すると、橋の向こう側に十七、八歳の女の子がちょこんと正座していた。
旅装束ではないし、遊んでいる様子もなく、「木子へ行くのか?」と声をかけても、返事はおろか眉一つ動かさなかった。
老人は気味悪く思い、急いでその場を離れた。
そして木子でその女の子のことを説明し、「とても一人では帰れないから送ってくれ」と村人に頼んだ。
老人は村人に送られて再び蛇橋まで来たが、既に女の子の姿はどこにもなかった。
女の子が座っていた所を見ると、草の一本すら倒れていなかったという。
その蛇橋は昔、大蛇の骨で架けた橋だと伝えられている。
『丹後の民話 第一集 いかがのはなし』「蛇橋の女」より
女の子は何者で、何のためにそんな所で座っていたのでしょう。
「ただそこにいるだけ」って地味に怖いですね。
伝承地:宮津市木子