銚子の滝の異獣 (ちょうしのたきのいじゅう)


上世屋の慈眼寺の裏手には、落差約19mの銚子の滝がある。
昔、この辺りには“異獣”と思われるものが棲みついていたという。
形は大きな猫のようで、足の模様は狸に似て、口は狼のように耳まで裂けている。
最初は狼の子供かと思ったが違うようで、よく人に馴れているものだという。
人が近づけば子犬のようについて歩き、家の中に入って来て竈の中で眠ることもあったという。

『丹後郷土史料集 第一輯 丹哥府志』「銚子の瀧」より


かわいい。
“異獣”と聞くと、越後の民俗誌『北越雪譜』に出てくる大猿のような姿の妖怪が思い浮かびます。
この異獣は人間に食べ物をねだる代わりに、仕事を手伝ってくれる気の良い妖怪です。
越後と丹後の異獣、お互い姿は違えど、人懐っこい温和な性格という点は同じですね。