人を埋めた塚の火の玉 (ひとをうめたつかのひのたま)


千歳村國分には、生きた人間を箱詰めにして埋めたという塚がある。
何故埋めたのかはわからないが、埋められた人は箱の中で三日三晩、鉦を叩き続けていたという。
そして四日目の夕方、埋められた人は火の玉となって現れ、それから毎晩のように辺りを飛び回った。
ある夜、火の玉は國分寺の境内に入り、和尚が籠もる便所の近くまで来た。
だがその時、和尚が大きな咳払いをしたため、火の玉はシューという気味の悪い音を残して消えてしまったという。

『口丹波口碑集』「人を埋めた塚」より


生き埋めにされて鉦を叩き続けるという行動は、即身仏修行にある「土中入定」のことではないかと思います。
土中入定は即身仏修行の最後の行程で、穴の中に籠もってそのまま即身仏=ミイラ仏になるという壮絶なものですが、この話では火の玉になってしまいます。
しかもトイレ中の和尚の咳払い一つで消えるという儚さ。


伝承地:亀岡市千歳町国分