慈雲寺の大龍 (じうんじのたいりゅう)*
香河の慈雲寺は元中元年(1384)に天寧寺の元哉禅師によって建立された寺院である。
昔、龍がこの地に降りて、しばらく天に昇れなくなったことがあった。
ある時、竜巻が起こったのでこれに乗って天に帰ろうとしたが、運悪く女にその姿を見られてしまい失敗した。
次に天へ昇るには、山に千年、海に千年の修行を積まなければならない。
だが名僧から経典を賜ればすぐに昇天出来る。
それを知った龍は女に化け、供養を行うためと偽って慈雲寺に参詣した。
それを知った龍は女に化け、供養を行うためと偽って慈雲寺に参詣した。
ところが寺の名僧は女の正体を見抜くと「寺は女人禁制の所である。経を求めるならば、真の姿となって参られよ」と言って参詣を断った。
龍は大人しく引き下がると、口から火を吹く大龍となって再び寺へ姿を現した。
こうして僧から経を賜った龍は、礼として自分の前足を噛み切って天に帰っていった。
それは現在でも寺に保管されており、「龍の鱗」として寺宝になっているという。
『加悦町誌』「大龍」
『丹後の民話』「慈雲寺のはなし」より
兵庫県三田市にも、女に化けた龍が寺の名僧の教えを請うて天に昇る、という伝承があります。(『上方』128号)
伝承地:与謝野町香河・慈雲寺
伝承地:与謝野町香河・慈雲寺