かんす狸 (かんすだぬき)


夜久野町の平野と水上の集落境を通る道路、その上手には杉木立があり、小さな森になっていた。
ある時、この杉木立に茶を沸かす「かんす(鉄瓶)」が下がっていた。
かんすに気づいた村人が家に持ち帰り、それを使って茶を沸かそうとした。
すると「あっちっち」という悲鳴と共に、たちまちかんすは狸に姿を変え、その場から逃げ出して行ったという。

『上夜久野村史』「かんす(平野)」より


いわゆる「分福茶釜」の夜久野バージョンといった感じの話です。
ちなみに秋田県男鹿市にも同じような話が伝わっています。(『民間伝承』4巻2号)
ただ、こちらは「木から茶釜が下がった」というだけで、持ち帰って茶を沸かすといったエピソードはありません(茶釜の正体もわからないまま)。