シチャクチャ坊主 (しちゃくちゃぼうず)
昔、爺さんと婆さんの夫婦が二人で住んでいた。
ある日、爺さんは用事で隣村まで行ったが、帰りが遅くなり、提灯を手に夜道を急いでいた。
途中、山間の淋しい道にさしかかった時、「シチャクチャ、シチャクチャ」と後ろからつけて来る音がしたが、振り返っても誰もいなかった。
だが先を急ぐと、また「シチャクチャ、シチャクチャ」と足音が聞こえて来る。
爺さんは気味悪く思いながら、やっとのことで家に帰り着いた。
夕食後、爺さんは「今日の帰り道、気味悪い足音が聞こえて、誰かが後ろからついて来た」と婆さんに話した。
すると婆さんは「それは“シチャクチャ坊主”や。それにつけられた時は『シチャクチャさん、お先にどうぞ』と言えばついて来なくなる」と教えてくれた。
その後、爺さんが夜道でシチャクチャ坊主につけられた時、婆さんの助言通りに「シチャクチャさん、お先にどうぞ」と言うと、シチャクチャ坊主はついて来なくなったという。
『続 京北の昔がたり』「シチャクチャ坊主」より
以前紹介した京丹後市の“ピシャどん”と同じく、音を立てながらついてくるタイプの妖怪です。
つけられた時の対処法は、奈良県に伝わる妖怪“べとべとさん”と同じですね。
伝承地:京都市右京区京北地域
伝承地:京都市右京区京北地域