丹波・丹後の妖怪あつめ

京都府北部(丹波・丹後地域)の怪異妖怪伝承を紹介するブログです。

2019年04月

わらじ

わらじ


ある人が此代から乗原へ戻る途中、杉林の坂まで来た時、後ろから「べったら、べったら」という音がした。
振り向いて「こりゃ、わりゃ(お前)何が欲しいだいや」と言いながら、肩に担いでいた鯖を前に抱え直して歩いていた。
するとまた「べったら、べったら」という音を立てながら、すぐ後ろを何かがついて来た。
「おのれ、古狸め。何になって化けて出ただいや」と言って後ろを足で踏みつけると、大きなわらじが呻きながら逃げて行ったという。

『丹後の民話 第四集 ふるさとのむかしばなし』「わらじ」より


“ピシャどん”のように、背後から音を立ててついてくるタイプの妖怪です。
こちらは大きなわらじ(正体はたぶん狸)として姿を現します。


伝承地:京丹後市丹後町此代


蛇橋の女

蛇橋の女 (じゃばしのおんな)


昔、駒倉の老人が隣村の木子へ出かけ、吉原にある「蛇橋」という橋まで来た。
すると、橋の向こう側に十七、八歳の女の子がちょこんと正座していた。
旅装束ではないし、遊んでいる様子もなく、「木子へ行くのか?」と声をかけても、返事はおろか眉一つ動かさなかった。
老人は気味悪く思い、急いでその場を離れた。
そして木子でその女の子のことを説明し、「とても一人では帰れないから送ってくれ」と村人に頼んだ。
老人は村人に送られて再び蛇橋まで来たが、既に女の子の姿はどこにもなかった。
女の子が座っていた所を見ると、草の一本すら倒れていなかったという。
その蛇橋は昔、大蛇の骨で架けた橋だと伝えられている。

『丹後の民話 第一集 いかがのはなし』「蛇橋の女」より


女の子は何者で、何のためにそんな所で座っていたのでしょう。
「ただそこにいるだけ」って地味に怖いですね。


伝承地:宮津市木子


  • ライブドアブログ