白坊主 (しろぼうず)
剣豪・岩見重太郎が、父の仇討ちのため宮津へ来た時の話である。
仇討ち成就の願をかけようと、重太郎は府中の元伊勢籠神社へ参詣した。
参拝を終え寺坂(大宮町河辺)まで戻ってくると、茶屋の老婆に「この先の峠は夜になると化け物が出るので行かない方がいい」と忠告された。
だが重太郎は逆に「化け物など退治してやる」と息巻くので、ならば、と老婆はよもぎ餅を渡してくれた。
よもぎ餅を食べて元気になった重太郎は、峠を登り化け物が現れるのを待っていた。
すると、どこからともなく白い大坊主が姿を現した。
重太郎が刀で斬りつけると、白坊主は悲鳴を上げて消えてしまった。
手応えはあったものの、刃が滑ったような感触があった。不思議に思い、その正体を確かめることにした。
夜明けを待って辺りを調べてみると、近くの池に長さ一丈(約3m)以上もある白い鯰が浮かんでいた。白坊主の正体はこの白鯰だったのである。
重太郎が化け物を退治したという話は寺坂に伝わり、それ以来、彼が食べた寺坂のよもぎ餅は評判になったという。
『おおみやの民話』「寺坂のよもぎ餅」より
岩見重太郎の妖怪退治シリーズ。
大宮町三坂にも白坊主が現れ、魚売りの魚を奪ったという話もあります(正体は狐)。

