狭間のあづき洗い (はざまのあづきあらい)
物部村と志賀郷村の間にある狭間峠は木々が鬱蒼と茂り、昼でも暗い所だった。
峠に沿って犀川という川が流れていて、そこに“狭間のあづき洗い”が出るとの噂があった。
ある時、村人が峠を歩いていると、白い着物を着た目の吊り上がった素足の老婆を見かけた。
老婆は長い白髪を背で束ね、岩の上でザルに入れた小豆を洗っていたという。
村人は老婆の気味悪い仕草に驚き、逃げ帰ったという。
“狭間のあづき洗い”の噂は広まり、峠でその老婆を見たという者が出てきた。
狭間峠はいつ通っても「ザーザー」という小豆を洗うような不気味な音が聞こえ、通行人を怖がらせていたという。
『由良川子ども風土記』「狭間のあづき洗い」より
小豆洗いシリーズ綾部編その②。
人前に姿を現すタイプの小豆洗いです。
ただの老婆という可能性もありますが……。
ただの老婆という可能性もありますが……。