丹波・丹後の妖怪あつめ

京都府北部(丹波・丹後地域)の怪異妖怪伝承を紹介するブログです。

2020年08月

チンバの化け猫

チンバの化け猫 (ちんばのばけねこ)


昔、遠下の集落は山の上の「チンバ」という所にあった。
ここに時々大きな化け猫が現れ、村人に噛みついたり喰い殺したり荷物を奪ったりしていた。
この化け猫は麻呂子親王(大江山の三鬼を退治した人物)に「ねこまたの谷」という所まで追い詰められ、退治されたという。

『丹後町の民話 -第二集-』「ばけねこの話(遠下)」より


伝承地:京丹後市丹後町遠下


ノシ/マド

ノシ/マド


徳島県の木頭村(現・那賀郡那賀町木頭)では、淵に出る化物のことを“ノシ”という。
また、人を隠す化物を“マド”という。

『近畿民俗』第二十四号「木頭民俗誌補遺」


他府県の妖怪シリーズ徳島県編。
“ノシ”って、昔の顔文字みたいな名前ですね。

ノシ

真夜中の足音

真夜中の足音 (まよなかのあしおと)


美山町の芦生演習林には、大正時代に建てられた木造の職員事務所がある。

昔、一人の職員がこの建物で宿直をしていた。
夜も更け、職員が二階の宿直室に入って寝ようとすると、誰かがトントンと足音を立てて階段を上がってくる。
「今頃、誰が来たのかな」
そう思いながら室内にいると、足音は廊下をスタスタと歩き、宿直室のドアの前でピタリと止まった。
そのまま待っていても、一向にドアを開ける気配がない。「どうぞ」と声をかけても返事がない。
不思議に思いドアを開けてみるが、部屋の外には誰もいなかった。
その時、職員は気がついた。
「宿直室に入る前に、事務所の窓も入口の扉も全部、内側からから鍵をかけたはずだ」
全て施錠されているのに、外から人が入って来られるはずがない。では、今の足音は何だったのか。

そんなことが何度か続き、やがて事務所では宿直をしなくなったのだという。

『京都の秘境・芦生』「6 山の不思議と謎の動物」より


後年出版された『山の怪奇 百物語』によると、この足音は
「かつて詐欺師に財産を騙し取られて自殺した富豪の亡霊のものである」
とのこと。


貧乏石

貧乏石 (びんぼういし)


明治十年(1877)頃の話である。
丹波村(現・峰山町北東部)の村人は“貧乏石”と呼ばれる直径一尺五寸(約45cm)の円形の石を隣村へ運ばなければならなかった。
だが、この石に触れると災いに遭うと言われていて、誰も運びたがらなかった。
そんな折、多久神社の境内で宴会が開かれることになった。
その席で作兵衛という力持ちの男が貧乏石を運ぶことになり、見事一人で山の境まで運び上げた。
村人たちはその勇気と力を褒め称え、彼に酒を振る舞ったが、作兵衛は泥酔したまま死んでいたという。
それ以来、貧乏石の名は広まり、近寄る者はいなくなったという。

『峰山郷土史 下』「Ⅵ 町村のうつりかわり 丹波村」より

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