丹波・丹後の妖怪あつめ

京都府北部(丹波・丹後地域)の怪異妖怪伝承を紹介するブログです。

2021年05月

蓑笠の怪物

蓑笠の怪物 (みのかさのかいぶつ)


昔、芦生の演習林で、木挽き(製材作業者)が川に落ちて行方不明になる事件があった。
皆で捜索すると、木挽きは下流で倒木に引っかかって死んでいた。
その遺体を蓑笠を着た人間が咥えていた。人々が近づくと怪物は姿を消した。
ところが、遺体を牛車に乗せて戻っていると、その蓑笠の怪物が後からついてきた。
怪物はついてきただけだったが、牛がひどく汗をかいたという。

『山の怪奇 百物語』「京都北山怪奇噺」より

あずきあらい

あずきあらい


間人の浜から上がった所にある深い溝には、“あずきあらい”と言って、狐が小豆を洗うような音に化けて出ていた。
このあずきあらいは、近所の赤子を水瓶の中に落として殺したことがあると言われている。

『丹後町の民話 -第二集-』「あずきあらい(間人)」より


小豆洗いシリーズ、京丹後編。
「音に化ける」ってなんかカッコイイですね。

動く狛犬

動く狛犬 (うごくこまいぬ)


籠神社の狛犬は鎌倉時代に作られたものと伝えられている。
あまりにも入魂の作であったため、狛犬は毎晩天橋立の松林をさまよい、通行人を驚かせていた。
その時、宮津に滞在していた剣豪・岩見重太郎がこの噂を聞き、狛犬の前脚を斬ったところ、翌日から出歩かなくなったという。
狛犬の前脚は折れ、補修をした跡が残されている。

『宮津市史 史料編 第五巻』「狛犬」
『丹後の宮津 -史跡と名勝をめぐる-』「丹後一の宮・籠ノ神社」
『丹後一宮元伊勢籠神社 現地案内板』より


岩見重太郎の妖怪退治シリーズ。
『旅と伝説』1巻1号「天橋立にて」には「成相寺山門の高麗獅子は、夜になると空を飛んで町まで行き暴れ回っていたが、ある浪人が獅子の前脚を斬った。翌朝見ると、高麗獅子の前脚が一文字に斬られ、血が滲んでいたという」という、籠神社のとよく似た伝承があります。同じ狛犬の話?


狛犬阿
籠神社の狛犬(阿の方)
右脚部分に補修の跡があります。

狛犬吽
籠神社の狛犬(吽の方)
両脚とも斬られてません?


伝承地:宮津市大垣・元伊勢籠神社



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