金玉を握るお化け (きんたまをにぎるおばけ)*
昔、ある墓地にお化けが出るという噂があった。
それを聞いた若者たちが墓地へ肝試しに向かい、お化けが出るのを待っていた。
すると石碑に腰かけていた男が他の仲間に、
すると石碑に腰かけていた男が他の仲間に、
「皆、何があっても誰か一人を見捨てて逃げるようなことはしないでおこう」と言った。
何故なら、お化けがその男の尻の下から手を伸ばし、彼の金玉を握っていたからである。
『みやづの昔話 -北部編-』「肝だめし」より
男はお化けに大事な部分を掴まれて動けない状況下にあったので、自分を置いて逃げないよう仲間に言い含めたんですね。
話はここで終わっているので男がどうなったのかはわかりませんが、無事だと良いですね。主に金玉が。
ちなみに、お化けに金玉を握られる話はお隣の兵庫県美方郡にも伝えられており、こちらは金玉握られ後の話も書かれています。
ある夜、三人の男が幽霊が出るという場所に行き、石に腰かけて待っていた。
不意に真ん中の男が「今夜はどんなことがあっても仲間を見捨てて逃げないようにしよう」と言い出した。
他の二人が同意すると、真ん中の男は「実はさっきから冷たくて軟らかいものが俺の金玉を掴んでいて、体を動かすことが出来ないんだ」と言った。
見ると、土の中から白い手が出て、男の股の中に入っていた。
二人は驚き、男を置いて逃げて行った。
二人は驚き、男を置いて逃げて行った。
一人残された男は、覚悟を決めて金玉を握るものに話しかけた。
すると顔中に切り傷を負った血塗れの女の幽霊が現れ、「私は村の長者に親を毒殺され、私自身も惨殺されてこの地に埋められた。仇を討ちたいが、長者の家の関札が邪魔で入ることが出来ない。どうか札を取ってくれないか」と頼んできた。
男が請われた通りに関札を取ると、幽霊は長者の家へ入り一家を皆殺しにした後、お礼に小さな青い玉(翡翠の玉)を渡し、姿を消した。
その後、男は幽霊から貰った玉を寺へ納め、無縁仏を弔ったという。
(『全国昔話資料集成 27 但馬昔話集』『但馬・温泉町の民話と伝説』)
(『全国昔話資料集成 27 但馬昔話集』『但馬・温泉町の民話と伝説』)
伝承地:宮津市松尾

