小坊主の霊 (こぼうずのれい)*
戦国時代、重野の山のエゲ平という所に寺があった。
寺の和尚は世の乱れを危惧し、二人の小坊主に宝物の詰まった壺をどこかに隠すよう命じた。
だが小坊主たちは遠くまで行くのは面倒だと、近くの木の根元に穴を掘って隠した。
ちょうどその時、ある男が小坊主たちの様子を盗み見ていた。
男は小坊主たちが去った後、土を掘り返し壺を盗んで逃げ去った。
そして世の中が落ち着いてきた頃、和尚は壺を戻そうと小坊主たちに隠し場所まで案内させた。
だがいくら木の根元を彫っても壺は見つからず、和尚は小坊主たちの仕業だと決めつけ、二人を殺害した。
一方、壺を盗んだ男は、その金を元手に田辺城下で「壺屋」という呉服店を開いていた。
そんなある日、旅の坊主が店に現れ「この店には二人の小坊主の霊がさまよっている」と男に告げた。
男は壺を盗んだ時のことを思い出し、熱を出して寝込んでしまった。
その後、それまで繁盛していた壺屋は次第に客が減り、従業員も逃げ出し、遂に潰れてしまったという。
『わが郷土 丸山小学校創立百周年記念誌』「エゲの宝と壺屋 -小橋-」より
伝承地:舞鶴市小橋