転居した毘沙門天 (てんきょしたびしゃもんてん)*
公庄村の寺谷という所に毘沙門天を祀る無住の古寺があったが、手入れされないまま放置され荒れ果てていた。
ある大雪の夜、この寺の毘沙門天が村人の夢枕に立ち「私は村の者に見放されたらしい。居づらくなったので今は郷の明光寺に来ている。たとえ迎えに来てももう帰らんぞ」と言った。
翌日、古寺に行って確認すると、毘沙門天の姿はなく、雪の上に人のものではない足跡が点々とついていた。
足跡は郷集落の明光寺まで続いており、本堂には古寺の毘沙門天があった。
村人たちは驚いたが、背負って帰るわけにもいかず、そのまま明光寺に祀ってもらうことにしたという。
『丹後の伝説 ふるさとのはなし』「かってに転居された仏様」より
伝承地:京丹後市網野町公庄