丹波・丹後の妖怪あつめ

京都府北部(丹波・丹後地域)の怪異妖怪伝承を紹介するブログです。

2023年07月

白竜の滝の声

白竜の滝の声 (はくりゅうのたきのこえ)


題目山にある白竜の滝の奥は、重なり合った岩石の隙間が洞窟のようになっている。
この滝から人の声が聞こえてくることがあり、その声は五、六人の話し声のように聞こえる時もあれば、読経の声のように聞こえる時もある。
声は滝の水量が多い時によく聞こえるという。

『わがふる里 滝馬』「白竜の滝と滝の声」より


伝承地:宮津市滝馬


たけ向かいの大蛇

たけ向かいの大蛇 (たけむかいのだいじゃ)


昔、「たけ向かい」という所の松の木に大蛇が棲み、夜になると田畑を荒らし回っていた。
そこである木挽きが大蛇を退治しようと考え、夜にたけ向かいへ行った。
そして木挽きはいびきをかいて眠る大蛇に鉈を突き刺し、そばの松の木を切ってから逃げ出した。
振り返ると、背後は大蛇が苦し紛れに吐く息で真っ白になっていた。
翌日、大蛇はたけ向かいで死んでいたが、木挽きが逃げる時に切った松の木は元通りに生えていた。
するとその後、木挽きの子供が神隠しに遭い、その松の木の下で死体となって発見された。
村人たちは祟りが続くかもしれないと考え、大蛇を祀ったという。

『丹後町の民話』「大蛇退治」より


伝承地:京丹後市丹後町畑


延福寺の和尚

延福寺の和尚 (えんぷくじのおしょう)


平安時代、嵯峨天皇は重病を患った。
その時、侍臣の夢に「七峰七谷のある寺の和尚が祈願するしか方法はない」というお告げがあった。
そこで侍臣は全国を巡り、やがて丹波国の延福寺に辿り着いた。
だが寺の和尚はみすぼらしい風体で、期待した程の人品とは思えなかった。
侍臣は真偽の判断に迷いながら、和尚と共に京を目指した。
その途中、和尚は数珠を忘れたことに気づき、急いで寺の上り口まで戻って手を叩いた。
すると火鉢のそばから数珠がコロコロと転がり出て、和尚の膝の上に乗った。
これを見た侍臣は恐れ入り、急いで参内させたところ、まもなく天皇の病は治ったという。

『口丹波口碑集』「延福寺の和尚」より


伝承地:亀岡市本梅町西加舎的場・延福寺


出雲石

出雲石 (いずもいし)


下常のヲテ山の谷に6m程の巨岩がある。
昔、大江山の鬼が磯砂山(*)をまたいで越そうとした時、草鞋の間に挟まっていた砂粒が落ちた。それがこの岩だという。
また、下常の氏神が旧暦十月二十八日に出雲(島根県)から戻る時、草履についた砂粒がヲテ山に落ちた。
それは出雲の砂粒だったので“出雲石”と呼ばれるようになったという。

『岩屋あれこれ』「出雲石」より


(*)京丹後市峰山町にある標高約660mの山。天女が舞い降りた伝説がある。


伝承地:与謝野町岩屋


蒲生野狐

蒲生野狐 (こものぎつね)


蒲生野の狐は人を化かしたり、時には鳥小屋のアヒルや鶏を捕って喰うことがあった。
ある時、Tさんという人が狐塚に罠を仕掛け、子狐を捕まえた。
日頃のお返しとばかりに子狐を狐汁にすると、その夜、Tさんが育てている子牛が発病しあえなく死亡した。
「やはりお狐様の祟りは怖い」と評判になったという。

『蒲生野春秋』「狐」より


狐塚は国道27号線の近くにあった古墳で、狐の巣になっていたそうです。


伝承地:京丹波町蒲生蒲生野

放火を止めた観音

放火を止めた観音 (ほうかをとめたかんのん)


摩気村半田の観音山の中腹に十一面観音を祀るお堂があった。
天正年間、丹波攻略中の明智光秀はこのお堂に火を放とうとした。
するとそれまで晴れていた空がにわかにかき曇り、万雷と暴風が起こった。
そのため光秀は火を点けることが出来ず、観音の霊験に恐れをなして退却したという。

『船井郡名勝史蹟案内 第一号』「十一面観世音」より


伝承地:南丹市園部町半田


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