大唐内の大蜘蛛 (おからちのおおぐも)


昔、大唐内の山奥に大蜘蛛が棲んでおり、田畑を荒らし若い娘をさらい、村人を困らせていた。
そこで村人たちは有安村の弓の名人・藤元善右衛門に大蜘蛛退治を依頼した。
善右衛門は水垢離をして成功を祈願した後、大蜘蛛の棲む谷へ向かった。
だが大蜘蛛は善右衛門の気配を感じても恐れる様子はなく、谷を跨いでじっと見下ろしていた。
そして善右衛門は大蜘蛛に狙いを定め、僅か一矢でこれを退治した。
大蜘蛛退治の報を聞いた村人たちは大変喜び、村を挙げての祭が三日三晩続いたという。
それ以来、毎年十月一日には有安から善右衛門の一族を招き、彼の好物だった甘酒を振る舞う「甘酒講」が行われるようになったという。

『ふるさとのかたりべ』「大唐内の大グモ退治」
『綾部の伝説・民話』「大唐内の甘酒講」より


『丹波志 何鹿郡之部』では「昔、奥の山に人を取る大蜘蛛が棲んでいたが、草壁村に住む高野聖が祈祷により退治した」とあり、同じ大蜘蛛退治譚でも内容が微妙に違っています。


伝承地:綾部市老富町