竹切狸 (たけきりだぬき)


昭和初期、保津村の大年の竹藪には“竹切狸”という妖怪が棲んでいたという。
この狸は夜になると、竹を切る音を立てて人々を騙すという。
始めにチョンチョンと竹の枝を払う音を出し、ギイギイと株を切る音を立て、最後にザザッと倒す音をさせる。
だが翌朝見に行ってみると、どこにも竹が伐られた痕跡がないという。

この竹切狸の話は、昭和の終わり頃にも伝えられている。

かつて曽我部南条から寺区への道には藪があったが、ここに竹切狸が棲んでいたという。
夜になるとチョンチョンと尻尾で竹を叩き、シューと挽く音をさせていたという。

また、平成の頃にも大阪府に竹切狸が現れたという話がある。

ある研究施設の敷地内の竹林では、夜中になると枝を切る音や竹を切り倒す音がする。
翌朝行ってみても竹は倒れていない。これは竹切狸の仕業だと言われている。

『丹波の伝承』「竹切狸」
『亀岡風土記』「曽我部町南条 狐狸の話うせ、今大学の町に」
『映画「学校の怪談」によせられたこわーいうわさ』「ふとふりかえったその顔は…」より

TAKEYABU
かつて竹切狸が棲んでいたと言われる辺りの竹藪。

QRコードの読めない案内板
竹切狸伝承の案内板。
看板のQRコードをスマホなどで読み取れば詳しい解説が読める……はずだったのですが、剥がれていて読み取れませんでした。ちくしょう。

竹切狸像
鳥取県境港・水木しげるロードの竹切狸のブロンズ像。かわいい。

ちなみに、水木しげる氏の『図説 日本妖怪大全』では「竹切狸は兵庫県の山奥に現れた妖怪」と紹介されています。
が、後に再編した『決定版 日本妖怪大全』では「保津村(亀岡市)に現れた」と修正されています。地域を間違えていたんでしょうか?
都会から見れば京都北部なんて兵庫の山奥と変わらないのかもしれませんが。


伝承地:亀岡市保津町