山の呼び声 (やまのよびごえ)


「山では誰かに呼ばれてもすぐに返事をするな」と言われている。
呼ばれてすぐ返事をすると、狸や狐、魔のものに引っかかるからである。
誰かが呼んでいる声が聞こえても、最初は聞き流し、二度目に呼ばれた時に返事をすればいいとされる。
狸などは二度続けて呼ばないので、人かそれ以外のものか見破れるのだという。

『近畿民俗』通巻136,137号「丹波美山の言葉と民俗」より


『総合日本民俗語彙』によると、岐阜県では「妖怪が人を呼ぶ時は一度しか声をかけない」と言われ、特に山中で人に声をかける時は必ず二声続けて呼ぶようにしていたそうです。
佐賀県では、自分は化け物ではないと証明するために「もしもし」と二声連続で呼びかける、いう風習があったそうです。(『妖怪談義』)