ドンバ


綾部には“ドンバ”という妖怪がいて、昔から「水遊びに行くとドンバが引っ張る」と言われている。
ドンバとは綾部の方言でアメンボ、またはドンコという淡水魚のことを指すが、その正体はわかっていない。
ドンバについては様々な説がある。

・水中に棲んでいて、人を引っ張り込む河童のようなもの。死神が憑くことを「ドンバが引っ張る」という。
・正体不明の妖怪で、これに引かれて誰かが死ぬと、それから三年、七年、十三年目にもドンバに引かれて死ぬ者が出るという。
・山奥の深い池に棲む大きなアメンボで、水中に人を引っ張り込んではらわたを食べるという。
・池や沼の底にはドンコが化けた大きな婆が棲んでいて、水遊びに来た子供の足を引っ張るという。 

『近畿民俗』第49号「虫と民俗 -虫との付き合い-」
『近畿民俗』第98号「方言語源考」より


河童、アメンボ、淡水魚……と正体がバラバラの不思議な妖怪です。
「水中に棲んでいて人を引きずり込む」ということから考えるに河童が一番近いような気がしますが、個人的にはアメンボの妖怪説が好みです。
「はらわたを喰らう大きなアメンボの妖怪」ってインパクトがすごいので。