香気娘 (こうきむすめ)*
昔、京の僧が石川村(現・与謝野町石川)の近くを歩いていると、川から良い匂いが漂ってくることに気づいた。
怪しんだ僧は川に沿って上流へと進んだ。川を遡るにつれて、香気はどんどん強くなっていく。
山奥の姫路谷という所まで辿り着いた時、十歳位(七歳とも)の「小萩」という名の女児と出会った。
とても美しい顔立ちをした女児で、香気は小萩の体から発せられているものだとわかった。
小萩は村の貧しい家の夫婦が天に祈って生まれた子供で、香気は彼女が生まれた瞬間から漂うようになったという。
僧はただちに小萩の親に会い「このような美女を山奥に置いておくのは勿体ない。都に行けば必ず立身出世するだろう」と勧め、彼女を京へと連れて帰った。
やがて香気を放つ娘の話は朝廷にも伝わり、後に彼女は天皇の妃になったと言われている。
『丹後郷土史料集 第一輯 丹哥府志』「與謝郡 第二 加悦の庄 香河村」
『丹後史伝 史実と伝説集 3』「香河村(与謝郡石川村香河)」より
他多数
妖怪変化の類ではないのですが、珍しい話なので紹介することにしました。