糸織姫 (いとおりひめ)


江戸時代、丹波亀山藩主の松平某に“糸織姫”という美しい妾がいた。
ところが彼女を妬む人々が結託し「糸織姫には前から約束を言い交わした男がいる」という話をでっち上げ、藩主に報告した。
この讒言を信じた藩主は怒り狂い、糸織姫を稲荷神社のそばで斬り殺した。
すると糸織姫は藩主や讒言した人々を恨めしそうな顔でキッと睨み、「松平家七代に祟ってみせる」と叫んで絶命した。
その後、松平家には身体に障害があったり精神に異常を来す子供ばかりが生まれるようになり、人々は糸織姫の怨霊が祟ったのだと噂した。
そしてその頃から、亀山城の高台にある大銀杏の木に大きな白蛇が棲むようになった。
この白蛇は糸織姫の怨念が凝り固まったものだと言われている。

『丹波の伝承』「亀山城の大銀杏」より


この他、亀山城には白蛇の棲む銀杏の話(“大銀杏の姫の亡霊”)があります。
姫の幽霊に憑かれたり白蛇の棲み処にされたり、この銀杏も大変ですね。


伝承地:亀岡市荒塚町・丹波亀山城(城址)