海中から上がった怪物 (かいちゅうからあがったかいぶつ)*
享保十一年(1726)二月二十五日、舞鶴の海中から奇妙な生物の死体が浜に上がった。
首は鳩に似て長さ一尺(約30cm)程、腹部は赤白の斑模様、柔らかいヒレがあり、喉まで歯が生えていた。
甲は唐傘の骨のようで筋がやや高く、タバコの葉に似ている。
胴の長さは五尺(約150cm)、幅は三尺(約90cm)で、ヒレを広げると六尺(約180cm)もの幅があった。
この怪物の死体が上がる前夜には、海中から凄まじい呻き声が響き、その声は一里(約4km)四方に轟いたという。
『月堂見聞集』「巻之十八」より