死神 (しにがみ)
昔、ある村に寝たきりの老人がいた。
ある日、この老人の枕元に五、六歳の子供が来て「爺さん、死にたいだろう」と囁いた。
老人も「私は立つことすら出来ないので、もう死にたいと思っている」と答えた。
すると子供は「私は死神だ。お前が死ぬ手伝いをしに来た」と言った。
死神はすぐさま天井裏へ続く梯子の元へ行くと、数段登って「ここまで来い」と老人を手招いた。
だが老人は歩くことが出来ないので誘いを断ると、死神はどこかへ去って行った。
その後、隣村の寝たきりの女が死んだという話が伝わってきた。
女は足を動かすことは出来たため、死神の誘いに応じて成仏したのだという。
『丹後物語 史実と伝説集』「死に神は歩く」より
「梯子を登る」という行為は死ぬために必要な儀式だったんでしょうか。