御霊神社の古狸 (ごりょうじんじゃのふるだぬき)*
昔、御霊神社には樹齢数百年と言われる榎が生えており、その幹には大きなウロが空いていた。
そのウロには古狸が棲んでおり、よく人を化かしたと言われている。
昔、西町の成徳寺の辺りは草原だった。
ある人がそこを通って家に帰ろうとしたが、どれだけ歩いても辿り着くことが出来ない。
どこをどう歩いたかも覚えていなかったが、翌朝になってようやく家に帰り着くことが出来た。
新品だった下駄の歯はすり減り、板のようになっていたという。
これは御霊神社の古狸に化かされ、一晩中引き回されていたのだと言われている。
また、久治という男が池部の秋祭りからの帰り道、ご馳走を包んだ風呂敷を抱えて広小路の辺りを歩いていた。
すると、菱屋から広小路にかけて、子狸たちがうろうろしている。
子狸たちは皆バッチョウ笠を被っていたので、まるで笠が歩いているように見えた。
そこまでは覚えているが、その後の記憶がなく、気づいた時には家に帰り着いていたという。
そして、風呂敷の中のご馳走は空になっていたという。
『福知山の民話と昔ばなし集』「御霊さんの榎木と狸のはなし」より
この榎は大正時代に御霊神社が移設された時に伐られてしまったそうです。

