二つ橋 (ふたつはし)
江戸時代、伊佐津川に架かる二つ橋は幅1.5mの木橋だったという。
ある日、余内の村人が田辺へ祝い事に行き、土産を手に夜道を歩いていた。
やがて伊佐津川まで来たが、不思議なことに橋が二つ架かっている。
村人は酔っていたため、新しい橋が出来ていると思い渡ろうとした。すると、橋が下がって土手に滑り落ちてしまった。
村人が次に目覚めた時は朝になっており、辺りには土産のご馳走が食い散らかされていた。
偶然通りかかった魚売りに事情を話すと、村人は狐に騙されたのだと教えてくれた。
この話が広まってからというもの、余内の人々は予め着物の袖に石を入れておき、橋が二つ現れた時はそれを投げて確かめたという。
石の当たる音がしない方は、付近に棲む狐夫婦が化けた偽の橋だという。
彼らにお供えをしない者はよく騙されると言われ、いつしかこの橋は「二つ橋」と呼ばれるようになった。
『舞鶴の民話 第一集』「二つ橋」より
徳島県にも似た話が伝わっていて、
名西郡石井町にある綿打橋を夜に通ると、橋が三つ並んで架かっていることがある。そんな時は橋に石を投げつけ、音がするかどうかで真贋を確かめた……というものです。(『阿波の狸の話』)
ここに棲む狐夫婦が村人を騙していたんでしょうか。

