タクシーに乗る姫 (たくしーにのるひめ)*
昭和三十四、五年頃、多紀郡城東町の小学校で話題になった。
あるタクシー運転手が車塚古墳を通ると、若い女が立っていて「車に乗せてくれ」と言った。
女は「城東町の泉の塔のそばまでやってくれ」と言うので連れて行くと、いつの間にか女はおらず、シートが濡れていた。
車塚には都の姫が葬られているという伝説があり、女はその姫だったのだろうと噂された。
『現代民話考[3] 偽汽車・船・自動車の笑いと怪談』「タクシーやバスを呼びとめる死者」より
お姫様もタクシーに乗る時代なんですね。
これは現代の怪談の一つで、いわゆる「タクシーの霊(夜、墓地にいる女を車に乗せるが、いつの間にか消えていてシートが濡れている)」というものです。
こちらは乗って来たのはお姫様、というのが一風変わっていて面白いです。
伝承地:丹波篠山市東本庄・雲部車塚古墳