蛇岩 (へびいわ)
昔、大堰川は現在の位置より西に流れていたが、大洪水で川は野原になった。
その頃、島崎に大堰川上流から流れて来た大岩があり、沢山の蛇が幾つもの巣を作って棲んでいた。
やがてこの辺りに田圃を作るため、邪魔になる大岩を削り取ることになった。
ところが岩を半分程削った頃、石工の枕元に美しい姫が現れ「私は大岩に棲む蛇です。これ以上岩を削られると家族の棲む所がなくなってしまいます。どうか工事を止めて下さい」と涙ながらに訴えて姿を消した。
蛇姫は翌晩も同じように現れて窮状を訴え、そして三日目の夜には「聞き入れていただけないならば、あなたの家に巣を作らせてもらいます」と言って泣きながら帰って行った。
石工たちは蛇の祟りを恐れ工事を中止すると、それ以来蛇姫が枕元に立つことはなくなった。
そして村人たちはこの大岩を“蛇岩”と呼び、周囲に柵を作って注連縄を張り、祠を建てて祀ったという。
『京北の昔がたり』「蛇岩物語」より

かつてこの辺りに蛇岩が祀られていました。
割と近年まで残されていましたが、耕地整理で砕かれてしまったそうです。
砕く時に蛇姫が訴えに出て来なかったんでしょうか。
伝承地:京都市右京区京北島崎
*2025/7/11 現地写真追加