老人の祟り (ろうじんのたたり)*
昔、ある家族が一人を残して皆死んでしまった。
残された男は家も畑も船も売り払い、死者の供養のため遍路参りに旅立った。
その家には別の家族が住むようになり、やがて男のことは忘れ去られていった。
数十年後、その家の前に白髪の老人が現れ、「ここは私の家だったのに」と呟いた。
老人は家の中から聞こえる楽しげな声を聞くと、恨めしそうに「仕方がない」と言ってどこかへ去って行った。
その後、子供が突然死するなど、この家に不幸が起こるようになった。
家人が坊主に相談すると「これはあの老人の祟りだ。老人はどこかで亡くなり、その霊が家の周りをさまよっている」と言われた。
坊主は浜辺で拾った白い石に老人の霊を封じ込めた後、祠を作って石を納めた。以来、その家で不幸は起こらなくなったという。
この祠は大火事で焼けてしまったが、霊を封じ込めた白い石は焼け残り、清五郎という所に祀ってあるという。
『舞鶴の民話 第一集』「なにがついたのやろ」より
なんという理不尽な祟り。