戸田の浦島太郎 (とだのうらしまたろう)*
昔、戸田村の沼の畔にある大木に毎夜火が灯り、村人たちを驚かせていた。
そんな折、川北村の福壽院という山伏の枕元に浦島太郎が立ち、
「竜宮城の沼と戸田村の沼は白岩で繋がっていて、村の様子を知ることが出来る。私が竜宮城を去る時、乙姫に「天気に関する願い事があれば戸田村の沼からお報せしますので叶えて下さい」と伝えたが、願い事をする前に玉手箱の煙で老いて死んでしまった。せめて誰かに伝えたいと思い、お前の夢枕に立った。戸田村へ行って天気の願い事をしてみなさい」と告げた。
そして福壽院は戸田村へ向かい、沼の水に触れてみた。するとたちまち黒雲が空を覆って大雨になった。
浦島太郎のお告げ通り、戸田の沼は竜宮城と繋がっていて、水に触れたことで乙姫が雨を降らせてくれたのである。
その後、福壽院は庄屋の家へ行き、沼の畔に祠を建て浦島太郎を祀るべきだと提案した。
村人たちは賛同し、一月後、棟上げ式が盛大に行われた。
式の日の夕暮れ、沼の畔の木に真っ赤な火が灯ったかと思うと、木から舞い降りて沼の中へ消えていった。
それ以来、沼の木に火が灯ることはなかったという。
そして戸田の浦嶋神社は「水の神様」として厚く祀られるようになった。
また、今まで母乳が出なかった女が式へ来た途端に出るようになったため、同時に「お乳の神様」としても祀られるようになった。
『現地案内板』
『福知山の民話と昔ばなし集』「戸田の浦島物語」より
木に灯る火は浦島太郎の霊魂だったんでしょうか。
なんとなく亀っぽい形……?

