天狗山の白いもの (てんぐやまのしろいもの)*
山南町の青田集落の南には、天狗が棲むという「天狗山」があった。
室町時代、青田集落は未曾有の大干魃に見舞われ、村人たちは困窮していた。
そんな中、権太という男が命を賭して天狗に掛け合い、雨を降らせてもらおうと考え、天狗山に登った。
権太は山頂に聳え立つ大岩まで来ると、その上で座禅を組んで天狗の出現を待つことにした。
ふと気づくと、白いものが木々の間を移動しながら権太に迫って来ていた。
白いものは権太に近づくと勢いよく飛びかかり、体に齧りついた。
権太は為す術もなく齧られ、全身から血を流して絶命した。
すると、にわかに空が曇り出し、激しい雨が降り始めた。豪雨は一昼夜降り続いたという。
その後、雨によって救われた村人たちは犠牲になった権太の霊を慰めるため、大岩を「天狗岩」と名付け、奥に弁財天を祀ったという。
『上久下村誌』「青田の天狗岩」より
囓ってくる天狗って面白いですね。
まぁ白いもの=天狗かどうかわかりませんが……。
ちなみに天狗岩は現存しているそうです。