揺橋の少女 (ゆるぎばしのしょうじょ)*
昔、町ノ田の小川には丸太橋が架かっていた。
そして橋の下の水は白く濁っており、福の神が住んでいると言われていた。
ある時、貧しい男がここを通ると、橋の上に一人の少女が笑いながら立っていた。
男が何者かと尋ねると少女の姿は消え、しばらくして橋が揺れ動き出した。
だが男は慌てることなく平然と橋を渡りきり、家へと帰った。
不思議なことにその日から財産が増え続け、やがて男は大金持ちになったという。
それ以来、この橋は「揺橋」と呼ばれるようになった。
『多紀郷土史考・上巻』「揺橋伝説」
『郷土の民話(丹有編)』「ゆるぎ橋(丹南町)」より
久々の不思議な少女シリーズ。
少女は橋の下に住む福の神で、男の勇気に感心して冨を授けたということでしょうか。
ちなみにこの丸太橋が架かっていた小川は約1m強の幅しかなかったそうです。
それくらいの幅なら多少揺れてもサッと渡りきれそうな気もしますが……。