座禅石(ざぜんいし)


貞治四年(1365)、唐の金山寺で修行を積んだ愚中和尚(大道禅師)は、漆原の真奥大滝の近くに庵を結んでいた。
ある日の夜、和尚が厠へ向かう途中、不意に胸騒ぎがした。
ふと庭を見ると、石の上で火の玉が燃えている。
和尚は急いで火を消そうとしたが、何度水をかけても消えない。
何時間もかけて消火していると、いつの間にか火は消えていた。
それからしばらくして、和尚の元に唐から手紙が届いた。
手紙には「金山寺が火事になった時、消火に協力してくれて感謝します」と書かれていた。
和尚は石の上で燃える火を思い出し、金山寺の火事が霊感として届いたのだと考えた。
以来、和尚はその石の上で座禅を組んだと言われている。

『舞鶴の民話 第二集』「座禅石(漆原)」

座禅石は真奥大滝に向かう途中の山道に現存しているそうです。