わらべ堂の女 (わらべどうのおんな)


比治山峠のには「わらべ堂」という地蔵尊のお堂がある。
これは江戸の八百屋お七の恋人が、彼女の霊を弔うために建立した地蔵の一つだと言われている。
ある時、久美浜の代官がこのお堂で休憩をしていると、花のような美女がどこからともなく現れ、美味しい茶を勧めて消え去った。
だが村人は誰もその女のことを知らず、代官は地蔵尊の化身であると考え、田地を寄進したという。

また比治山峠には旅人を尾行する“送り狼”が棲んでいたが、このお堂まで来ると、その威厳を恐れて引き返したと言われている。


『峰山郷土史 下』「比治山地蔵堂」
『常民』第9号「京都府中郡峰山町鱒留区調査報告書」より


『京丹後市の民俗』によると、昔はお堂の屋根は藁葺きで、その藁を取って火を灯せば獣に襲われないと言われていたそうです。
このことからお堂は「藁火(わらび)堂」と呼ばれていましたが、現在は「童子堂」「ワラベ堂」と記すようになったとのことです。


伝承地:京丹後市峰山町鱒留