ガワタロウ
山國神社の裏を流れる大堰川に「馬渕」と呼ばれる大きな渕がある。
昔のある日の夕方、近所の百姓が馬渕で馬を洗っていた。
すると突然馬が暴れ出し、あっという間に深い渕へ引きずり込まれた。
止めることも引き揚げることも出来ず、遂に馬は渕の中へ沈んでしまった。
悲鳴を聞いた村人たちが駆け付けた時には馬も百姓の姿も見えず、馬渕は何事もなかったかのように静まりかえっていた。
それ以来、この渕には馬を喰う河童の“ガワタロウ(川太郎)”が棲むと噂され、子供たちは馬渕で泳ぐことを禁止されたという。
『続 京北の昔がたり』「ガワタロウの住む淵」より
