牛岩 (うしいわ)


篠ヶ峰の頂上付近に“牛岩”という牛の形をした巨岩があった。
淳和天皇の時代、この岩が神入りして猛牛となり、毎夜里に下りてきて田畑を荒らし、里人たちを苦しめていた。
そんな折、弘法大師が里を訪れた。猛牛の話を聞いた大師は山へ入り、牛岩を鎮めた。
以来、岩は牛になって里を荒らすことはなくなったという。
大師は「この山麓を牧場とし、牛岩を祀って守り神にしなさい。牛岩は災難除けに御利益があり、里は栄えるだろう」と言った。
里人たちが大師の教えを守って牛岩を祀ると、年々牛馬の数は増え、里は豊かになっていった。
牛岩には七字の梵字と「天長二年(825)二月某日 丹波篠ヶ峰の石牛を鎮む 空海」と彫られていたという。


『山南町誌』「牛岩の伝説 牧山谷」より


伝承地:丹波市山南町五ヶ野(笹ヶ峰は五ヶ野の北にある山)