筧小女郎 (かけいのこじょろ)


昔、保津には年を経た三匹の狐が棲んでおり、鬼が芝付近の松林は“筧小女郎”という雌狐の棲み家だった。
よく人を騙す狐で、人間に化けては通行人から食べ物や品物を盗んで暮らしていた。
「松林付近を通ると背後から肩を叩かれ、振り向いた隙に手荷物の中の食べ物を取られた」という話が伝わっているが、これは筧小女郎の仕業だと言われている。
ちなみに、筧小女郎よりも火無に棲む雌狐“火無お龍”の方が化けるのは上手かったという。

『丹波の伝承』「狐、二題」
『保津百景道しるべ』「No.51 保津三狐 筧の小女郎さん」より


“山坊甚五郎”“火無お龍”と並ぶ保津三狐、筧小女郎の伝承です。
火無お龍の方が化け上手とか言われてかわいそう。

余談ですが、筧小女郎が棲んでいたという「鬼が芝」は、酒呑童子の家来の袴垂保輔(はかまだれやすすけ)が支配する地域だったと言われています。(『保津百景道しるべ』)


伝承地:亀岡市保津町葛原付近