川子 (かわこ)
ある時、野間の男が畑仕事をしていると、子供が来て「相撲を取ろう」と誘ってきた。
男が忙しいからと断ると子供は帰っていった。
子供は次の日も来て「相撲を取ろう」と誘うので、男は「明日なら相撲を取ってやる」と約束した。
だが男は子供が普通の人間ではないと気づき、懐に縄を忍ばせておいた。
翌日、男は相撲を取るふりをして子供を捕まえると、縄で縛り上げた。
子供は川子(川獺の子)だった。
川子は自分を逃がす代わりに、出来物やあかぎれに効く膏薬の作り方を男に教えた。
その後男は染物屋を始め、二人の息子が生まれた。
そして長男に家業を継がせ、次男には川子の膏薬の作り方を教えた。
息子たちの家はいつまでも栄えたという。
『くみはまの民話と伝説』「川うその話」より
伝承地:京丹後市弥栄町野中