土瓶が下がる木 (どびんがさがるき)


浜詰集落の市郎兵衛と呼ばれる屋敷の裏には洞窟があり、人骨や土器、刀剣などが出土したという。
この洞窟の前に古い大榎が生えており、夕方にここを通ると枝から土瓶が下がった。
土瓶が下がるのを見た者が手を伸ばして掴もうとすると、スッと消えてしまったという。
これは洞窟に住んでいた古代人の怨霊の仕業だと考え、榎の下に地蔵を建立したところ、土瓶は下がらなくなった。
やがて榎は伐り倒されたが、地蔵は今も残っているという。


『季刊 民話』第1号 1975年〈冬〉「奥丹後物語 草稿」
『ふるさとのむかしむかし』「どびんがさがる」より


伝承地:京丹後市網野町浜詰