人身御供の幽霊 (ひとみごくうのゆうれい)
昔、土師川の井根(井堰)は大雨の度に崩れていた。
村人たちが水神に伺いを立てたところ「処女を人柱にすれば壊れない井根が出来る」というお告げを受けた。
村人たちが水神に伺いを立てたところ「処女を人柱にすれば壊れない井根が出来る」というお告げを受けた。
そこで村人たちは、偶然村を訪れていた行商の若い娘に事情を説明した。
娘は懇意の尼に相談した末、人身御供になることを決断し、水中に沈んでいった。
その後、頑丈な井根が完成し、村では祝いの盆祭りが盛大に開かれた。
祭りの日の夜更け、村の若者たちが井根に架かる橋を渡っていると、水中から黒髪を乱した白衣の幽霊が現れた。
幽霊は川面を滑るように歩き、対岸の竹藪に消えていった。
村では「人柱の娘が化けて出た」と噂されるようになり、夜に川へ近づく者はいなくなった。
この噂を聞いた庄屋は娘の供養をしていないことに気づき、彼女と懇意だった尼に頼んで施餓鬼を行った。
するとその後、井根で幽霊が目撃されることはなくなったという。
『福知山の民話と昔ばなし集』「人身御供の幽霊」より
伝承地:福知山市長田・六人部地区(土師川)