女に化けた蛇 (おんなにばけたへび)
昔、ある庄屋の家に美女が訪れ、一泊の宿を求めた。
それをきっかけに二人は夫婦となったが、女を嫁にしてから蔵の米の減りが異様に早くなった。
そこで庄屋は外出すると偽って天井裏に隠れ、妻の様子を盗み見ることにした。
すると妻は大量の米を炊き、幾つもの握り飯をこしらえていった。
そんなに沢山の握り飯をどうするのかと見ていると、妻の頭が「ペギイ」と開いた。
妻は、首から下は人間だが、頭は大きな財布になっていた。
妻は頭の蓋を大きく開き、その中へ次々と握り飯を放り込んでいった。
握り飯を全て頭に投げ入れると、妻は大蛇に変化し、大きな腹を見せて眠りについた。
その夜、妻を恐れた庄屋は、彼女を遠ざけて別の部屋で眠っていた。
正体を見られたことに気づいた妻は彼を喰ってしまおうと考え、眠る庄屋を樽に詰めて山へ運んだ。
だが庄屋は途中で目を覚まし、大きなふくら柴(ソヨゴ)に掴まって外へ逃げると、代わりに石を樽に詰め込んだ。
そしてふくら柴の木に登って妻を見ると、美しかった妻は大きな蛇男に変化していた。
蛇男になった妻は庄屋と石が入れ替わったことに気づかないまま、樽を背負って津母の蛇池の方へ消えていった。
その後、庄屋は自分を助けてくれたふくら柴を祀ったという。
『語りによる日本の民話 10 丹後 伊根の民話』「女に化けた蛇」より
『日本昔話名彙』や『日本昔話大成』で言うところの「食わず女房」タイプの話です。
妻の頭が財布になっているというのが面白いですね。
妻の頭が財布になっているというのが面白いですね。
イメージとしては頭頂部ががま口のようになっていてパカパカ開閉出来る、という感じでしょうか。
伝承地:伊根町津母(新井?)