家を燃やす神 (いえをもやすかみ)


海士の愛宕山の頂上には愛宕神社が鎮座している。
昔、愛宕神社の神は、一年に一軒ずつ家を焼き、勢いよく燃える様を眺めて喜んでいた。
村人たちは「どうすれば神様の祟りを免れられるだろう」と、火事の度に頭を痛めていた。
するとある村人が「毎年一度、神社の前で火を振ったらどうか」と言い出したので、その通りにしてみたところ、年に一度の火事は起こらなくなった。
それ以来、村では年に一度、愛宕神社の前で火を振って神の心を慰めるようになったという。

『続 熊野郡伝説史』「神崎の愛宕山(神野村)」より


伝承地:京丹後市久美浜町海士・愛宕神社(海士の東にある愛宕山に鎮座)