茶店の女 (ちゃみせのおんな)


大正の末頃、ある商人が干し魚を売り歩いている途中、吉津を越えた辺りで小奇麗な茶店を見つけた。
見覚えのない店だったので不思議に思っていると、気の利いた中年の女が「まあ入れ」と誘ってきた。
商人は座敷に上がって女と話をしていたが、彼女がニコッと笑ったのを見た途端、背筋が寒くなった。
ふと気づくと茶店も女の姿もなく、商人は一人で道の端に腰かけていた。
脱いだ靴は噛まれてボロボロになり、干し魚もほとんどなくなっていたという。

『おおみやの民話』「美女にご馳走」より


狐狸に騙されたんでしょうか。


伝承地:京丹後市弥栄町等楽寺付近