山の神の祟り (やまのかみのたたり)


昔、林助という男が山へ入ったまま三日も帰らないことがあった。
四日目になり村人総出で捜索した結果、雷が落ちても枯れなかった杉の大木の梢に、八つ裂きにされた林助の死体が引っかかっていた。
林助は山の神の祟りに遭ったのだと考えられ、以来、村では単独で山へ入ることを止め、入山する時は山の神に木の枝をかけ「私が危なくなったらこの鉤でお助け下さい」と無事を祈願するようになった。
そしてこれ以上の犠牲を出さないために、この日を山の神を祀る日と決め、山仕事や入山を禁止した。
これが山の口講の始まりだという。

『栃原の昔語り』「山の神と休息日」より


『栃原の昔語り』では言及されていませんが『美山町誌 上巻』によると、山の口講は十二月九日に行われるそうです。
山の口講は早朝に「森さん」と呼ばれる山に行き、注連縄を張って祭壇を設け、御幣と白餅と御神酒を供え、一年間怪我なく山仕事を終えられたことを感謝すると共に、来年も無事に仕事が出来るよう祈願するというものです。
ただ集落によって日時や作法が異なっているらしく、栃原区の山の口講が同じ十二月九日に行われるのかはわかりません。


伝承地:南丹市美山町高野・栃原区