天ヶ谷の龍 (あまがたにのりゅう)*
遙か昔、丹波は大きな湖だった。
その頃、湖に棲む龍が、篠村山本の山の頂上にある「天ヶ谷」という谷の湖へ棲み処を移した。
この谷に少人数で行くと必ず行方不明になったという。
ところがある時、天ヶ谷の湖の水が高い瀑布や急な激流となって山本まで流れ込んできた。
そこで村人が堤を作って水を保津川に逃したところ、やがて湖は涸れ、龍は昇天してしまった。
だが龍の祟りか、山本は金持ちの家から順に没落していき、廃れてしまった。
そしてその年の八月初旬頃、天ヶ谷から唸り声が響いてきた。
その唸り声は二里(約7.8km)離れた所まで聞こえたが、恐怖のため、誰も声の正体を確かめようとはしなかったという。
『丹波の伝承』「天ヶ谷」より
「天ヶ谷」の正しい読み方がわからなかったため、当ブログでは「あまがたに」表記としました。
伝承地:亀岡市篠町山本