狸坊主 (たぬきぼうず)


昔、ある坊主が小橋村へ説教にやって来たが、村中から食べ物を貰ってはガツガツと食べていて、どこか様子がおかしかった。
そこで村人たちが後をつけてみると、坊主は途中の河原で立ち止まり「河原はよう渡らん」と言って泣き出した。
だが坊主は怪しむ村人たちの目を上手に眩まし、川をぴょんと飛んで渡ると、次に田井村の寺へ説教に行った。
その時、説教を聞いていた狩人は住職に「あの坊主は話す度に耳がぴくぴくと動くから人間ではない」と伝え、説教が終わった後に撃ち殺した。
翌朝になって確認すると、それは坊主ではなく、大きな古狸だったという。

『わが郷土 丸山小学校創立百周年記念誌』「狸坊主」より


伝承地:舞鶴市小橋