狐の仕置き (きつねのしおき)


ある日、丹波亀山藩主・松平伊賀守が仏殿を見ると、スッポンが食い散らかされていた。
伊賀守は激怒し、家来に犯人を調べさせたところ、狐の仕業だということがわかった。
「畜生とはいえ先祖の位牌の前でこのような狼藉は許されない。明日までにその狐を捕らえて処罰しろ」と厳命した。
その夜、伊賀守の寝室の前で物音が聞こえ、不審に思い襖を開けると三匹の狐がいた。
内一匹は葛で縛られおり、他の二匹はその葛の端を口に咥えていた。
伊賀守は二匹の狐が狼藉を働いた狐を捕まえてきたのだと理解し、「よく連れて参った。お前たちはその狐をどうするつもりだ」と尋ねた。
すると二匹の狐は伊賀守の目の前で、捕らえた狐を噛み殺してしまったという。

『丹波の伝承』「きつねのしおき」より


文中の松平伊賀守とは藤井松平家の松平忠晴、忠昭、忠周の内のどなたかなので、この話は三人が在位していた慶安元年~貞享三年(1648~1686)の間に起こった出来事だと思われます。


伝承地:亀岡市荒塚町・丹波亀山城