孕み猿の祟り (はらみざるのたたり)
世木村殿田の上野山の中腹に、丹波猿楽で有名な梅若実延の屋敷があった。
ある大雪の日、実延が庭を眺めていると、松の陰に大きな猿がうずくまっていた。
早速弓で矢を射かけようとすると、大猿は実延に向けてしきりに自分の腹を指さし、慈悲を乞うような素振りを見せた。
だが実延はそれを無視して矢を放ち、大猿を射殺した。
そして死体を縁側に運び、よく見てみると、大猿は妊娠していることがわかった。
以来、梅若家には不幸が続くようになり、遂に没落して江戸に移り住んだという。
『丹波の伝承』「孕み猿の祟り」より
伝承地:南丹市日吉町中世木