弁財天になった娘 (べんざいてんになったむすめ)


三ノ宮小山の岩屋山には、「岩屋不動の滝」と呼ばれる滝と不動尊を祀る祠がある。
その滝の近くには小さな洞窟があり、中に七福神の祠が祀られているという。

昔、岩屋山の麓にある富豪の家に、とても美しい娘がいた。
だが娘は年頃になっても嫁入りをせず、先祖代々崇めている「岩屋の神」に参拝することを楽しみに日々を過ごしていた。
そんなある日、娘は忽然と姿を消した。
両親が手を尽くして捜索したところ、岩屋山の谷間の草むらに美しい弁財天の像を見つけた。
これは信心深かった娘の化身だと考え、人々は弁財天を岩屋不動の滝の洞窟に祀ったという。
それ以来、毎年九月一日に岩屋不動で祭が行われるようになったという。

『郷土誌 三ノ宮』「岩屋不動尊と不動の滝」より


伝承地:京丹波町三ノ宮小山